体質を強化する火陽功(大日如来火陽縁起密法)
チベット密教には、大乗仏教である黄教、霊力功の紅教、法力功の花(白)教、健康を中心とした呪文の黒教の四大宗派があるが、この功法は紅教に属する。
宇宙の霊熱を通すことにより、体質を強化することが目的だが、火を固まりにすることにより、形のないものから形のあるものに転換させる効果もある。
姿勢と手印
椅子や床に座って行うが、理想的には盤足。
火鉢の上に座るイメージで、舌は上顎につける。
手印は「仏陀天地印」を組む。
右手は顎の前まであげて人差し指を立てる。
左手はヘソの前に掌を上にして人差指と親指で軽く輪を作る。
呼吸
逆腹式呼吸で行う。
功法の手順
視線を鼻先から手印を組んだ右手指先に移し、しばらく見つめる。 指先から白い煙のようなものが上がっていくのが見える。
目をつぶり、意識で指先を見つめる。 煙の色が白から赤に変わるが、健康な場合は赤、病気や体が弱い場合は赤の中に黒が混じる。
力を入れて息を吸うと同時に、火鉢から喉のあたりまで炎を吸い上げるイメージをし、息を止める。
喉のあたりに溜めた火を、肩から右腕に分けて溜めておく。
息を勢いよく吐きながら、溜めていた火を一つの固まりにして一気に飛ばす。 呼吸は64回(9回以上)行う。
収功。手印を解いて掌を下向きにして膝の上に置き、30秒静止する。 終わってから10分以内は水を使ったり、飲食をしたりしないようにする。