某大企業役員の80歳のH氏は20年前から座骨神経痛を患い、車椅子の生活をしていた。
梁 蔭全先生は東京青山にある高級スポーツクラブで当時気功教室を開催していたが、ある日H氏は、奥さんと息子さんに支えてもらいながら、教室にやってきた。
しかし目に見えない気功と仙道の力を、いくら説明してもH氏にはなかなかわかってもらえなかった。
そこで、梁先生は実際の効果を体験してもらうことにした。
論より証拠である。
H氏は座っているだけで痛みがあると言う状態。
まずは、気をH氏の体に当て検査をした。
病気の箇所に気があたると、梁先生にも反応が起こるのである。
1分くらい調べていくと、座骨神経が腰の関節によって圧迫されているほか、股関節、膝関節、足首の関節にも炎症が起きており、全身の血液循環も悪いのがわかった。
H氏はこれまで手術を受けたり、薬物治療、漢方などを試したりしていたが効果がなかったそうだ。
そこで梁先生は常識を超えた仙道気功を試してみることにした。
教室の外にでて、瞑想を開始。
教室全体が温泉となり、H氏が熱いお湯に浸かり、腰や足から黒い気が出始め、澄んだお湯に浸透していくイメージをする。
10分経過し、教室に戻るとH氏の体が揺れている。
「体中が熱く気持ちがいいが、揺れがおさまらなく少し不安です」とH氏。
今度は、眉間にある「天目」からH氏の体を透視し、骨格だけが見えるようにした。
骨盤に意識を集中し、100倍くらい大きくしては元に戻すという術を81回行った。
同様に膝関節にも64回、足首に36回繰り返し行った。
H氏の揺れはますます増してきたので、そこで治療を終了とした。
H氏は一刻も早くこの揺れの状況から解放されたかったのか、いきなり立ち上がりスタスタと一人で歩き席に戻った。
一瞬教室は唖然とし、その後大拍手が起こった。
H氏はそこで初めて自分が10年あまり頼りにしていた車椅子を使わず、自分で歩いたことに気づき、また立ち上がり腰や足を曲げて痛みがないことを確認していた。
感謝の気持ちを告げ、H氏は帰っていった。
その後、数回治療を受け、すっかり回復し車椅子不要の生活となった。
1996年